スタンディングオベーション×2
風邪薬を飲んだら物凄く効いたみたいで、ぴたりと鼻水が止まりました。
イブプロフェン、すげぇ。
先日、突然にお母さんが「夕飯は食べ行こう!」言い出したので、
三女が調べてくれた石焼ビビンバ的なお店で腹を満たしたのち、帰りがけに見掛けたコールドストーンを前にね、「ここは何か」とお母さんが問うてきたのね。
「アイスクリーム屋さんだよ」「歌ってくれるんだよ」と姉妹揃って説明したら、母「ぜひに歌って欲しい」と。
「現場が見たい」と。
じゃあ歌っていただきましょうということで、颯爽と店内に。
母「これはバニラ?」
店員「いえ、こちらはミルクアイスクリームになります」
母「?バニラでしょ?」
店員「牛乳を使ったミルクアイスクリームになります」
母「だからそれ、バニラでしょ」
わたし「ミルクアイスクリームって言ってるじゃん」
三女「バニラじゃないんだよ」
母「?だからバニラでしょ、それ」
何が何でも譲らない。
オーダー前からミルクかバニラかで早速一悶着起こし、何とかミルクな方向で着地を決めたかと思いきや。
母「じゃ、歌ってください」
急な要望を振る母。
困惑を隠しきれない店員。
三女「混ぜる時に歌うんだよ」
母「あ、そうなの?じゃー抹茶アイスと混ぜて歌ってください」
独自のメニューを編み出す母。
またも困惑を隠しきれない店員。
わたし「トッピングは別にあるんだよ。アイスとアイスじゃ歌ってくれないよ」
母「そうなの?じゃ、あんた達、何か歌ってくれそうなやつオーダーしてみてよ」
つーことで、姉妹揃って歌ってくれそうなアイスとトッピングをオーダー。
困惑しつつお仕事ですからとばかりに歌い出す店員。
凝視する母。
時に困惑を隠しきれない店員。
凝視する母。
やっぱり困惑を隠しきれずたまに噛む店員。
凝視する母。
やっぱり困惑を隠しきれず(以下同文)・・・・・
母「ほんとに歌ってる・・・」
あんたが歌ってとあれほど。
何とかやり切った店員さんが達成感からかようやく笑顔を見せてくれてね、あーよかった、と思ったうちら姉妹も思わず笑顔を浮かべてアイスを受け取ろうとしたその瞬間。
母「ブラボー!アンコール!」
もーね、一人でスタンディングオベーション決めちゃってる人がね、真隣にいるわけです。
まさかのうちのお母さんなわけです。
しかもアンコールて。
そういうシステム導入されてないからー!
店員さんは飽くまでもアイスクリーム屋の店員さんであって、パフォーマーとかじゃないからー!
そこは我が家唯一の常識人を誇る三女の「ほら、あっちに椅子あるから座って食べない?」つー鶴の一声で、いきなり興奮度MAXになったお母さんを現場から遠ざけることに成功しました。
全くもって興奮冷めやらぬお母さんを「ほらほら、何かグリーンもあってお洒落じゃない?」「たまにはこういうのもいいよね」と、必死に宥めるわたし達を他所に、オーダーが入ったのか、またも歌い出す店員。
突如、ガタッと立ち上がる母。
「また始まった!見に行かなきゃ!」
いいよ!もういいって!
ねっ、また今度来た時でいいじゃない!
あんな凝視されちゃ店員さんもやりづらいって!
そりゃ皆スタンディングだけどさ、そこでオベーション決めちゃってたのお母さんだけだからーっ!
これまた三女が「手芸始めようかと思ってさ」と新たなる話題投入で事なきを得ました。
それを聞いた母「お金になるならいいと思う」と、やたら現実的なコメントしてました。
お金、大事だよね。
そんなこんなで盛り上がった翌日、お父さんのお見舞いに行ったなら、
立ったーーーーーっ!!!!!
父、立った!
もうね、こんな嬉しいことない。
あの父が、わたしと大して体重も変わらないほどに痩せ細ったお父さんが、クララばりに立った!
ここぞとばかりにわたしもね、ハイジ(リハビリのお兄さん)を押し退けてのスタンディングオベーションしたよね。
ハイジ、ちょっとよろけつつもメゲずに自己主張してきてね、
流石にわたしもそこは我に返って、出来ることは何もないことに気付いたのでね、主役の座を譲りました。
画面の端っこで見切れてるくらいの位置で見守り態勢に入ったよね。
で、約40分あまりのお見舞いで「がんばれー!」って100回は言ったと思うんですけど、ハイジ、ずっと苦笑い。
うちのクララ(父)に至っては聞いちゃねぇっつーことで、
マック買って帰ってきました。
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したら、後から帰ってきた三女がアップルパイ買ってきてくれて。
嬉しかったんですけど、ちょうどその時、自分で買ってきたアップルパイを貪り食ってて。
「あ、買ってきちゃった」って、まだ言えてない……二つも食えっかな……。
わたしもね、お金あるなら、手芸やりたいです。