さよなら記念日
この支配からの卒業！つって、いつの間にか、右腕のスタンドがいなくなってた。
そんなことにね、ふと気付いたわけです。
そういえば今月のお小遣いあげてなかったっけなーみたいなノリで、ふと。
あれ……いねぇ・・・？みたいな。
完全にいなくなったわけじゃないんだけど、こう、薄っすらと面影っつーか残りカスみたいのはね、感じるんだけど
前みたいな強烈な存在感は、完全になりを潜めちゃってた。
ほんと、あれっ？て。
おめぇ、いつの間にかDIOとか 一人で倒しちゃってた？
9秒のザ・ワールドくぐり抜けちゃってた？
あ、違う違う、なるほどザ・の方じゃなくてー。
もーさ、いってよー！
いなくなるならいなくなるって！
わたし、仮にもあんたの宿主じゃなかった？
ひろし つったら ぴょん吉みたいな、そんなド根性ガエルみたいな仲じゃなかった？
いや、まぁ、飽くまでもスタンド扱いでTシャツ扱いではなかったんだけど。
つっても、もういない。
置き手紙さえ見当たらない。
思えば大晦日があいつとの出会いだったっけ。
テノーセネヴァイテス（腱鞘炎）かと思ってたらさ、ワンランク上を行くストレイン（筋挫傷）だったんだよね。
名前間違ってんだったらいってよー（笑）つって、笑い合ったのが懐かしい。
そんなこと思い出して、そっと、右腕をさすってみました。
もう、いないんだ……。
カンチ────っ！！！！！
あ、違う違う、セックスしよ？の保奈美じゃなくて。
だから、東京ラブストーリーの方じゃなくて。
完治（残りカス有り）してました。
いやー長かったなー。
あれから二ヶ月半ですよ。
「一生付き合ってくしかない」とか、ぼんやりながらもね、覚悟とかもしちゃってたわけ。
それがね、まさかの完治。
人体の不思議！
修復機能、まだ残ってたんだなー。
わたしの六十兆個の細胞、結構 地味にがんばってた。
伊達に兆あるだけある。
兆単位だからね、文殊の知恵以上のもの発揮してる。
人体の不思議展とか、わたしのブースがあってもいい。
リカとカンチの仲はこじれても、
わたしと完治の結束は堅かったようで。
“「この味がいいね」と君がいったから、七月六日はサラダ記念日
- 俵万智 - ”
ならぬ、
“「ストレイン」と君が呼んだから、三月二十三日はさよなら記念日
- 鈴木すうこ - ”
なんかね、ほんと、紛うことなき文系なんですけど
なんでこうもセンスねぇの？ってね、自分に問いたい気持ちでいっぱいなんですけど。
なんだかんだ そうはいってもね、文系背負ってきたわけですよ。
交通標語でも作ろうもんならクラス代表に選ばれてたし、
作文書けば学校代表に選ばれて、埼葛地区のよしきり（文集）にもね、作文は載らなかったにしろ、佳作として名前とか載っちゃったりしたんですよ。
「カギカッコ（会話文）で始まる作文とは、斬新だ！」
とかいわれちゃって。
日曜朝の廃品回収に参加したくねぇ！
早朝は寝ていたい！
つーね、小学生の葛藤を描いたお茶の間一大スペクタクルな作文だったんですけど。
お母さんとの心理戦も交えたバトルシーンありきで。
ね？そこそこ文系自負しても良くない？
それがね、ちょっと年取ろうもんならこのザマですよ。
ユーモアのカケラも感じないったらない。
「これだから現場離れた奴はなー」とかいわれかねない。
腕がね、なまっちゃってる。
やっぱね、日々の鍛錬大事だなって。
気ぃ抜いちゃダメだなって。
いつ何時、世界が窮地に陥るかとかね、わかんないから。
悟空が、悟飯が、悟殿が、ピッコロが、はたまた心付け程度にサタンが、
時にはまさかのWネームでクリリンとルフィが夢のコラボでね、
さぁ世界を救うぞ！って時にね、
わたしとしても、微力ながらもね、ユーモアっつージャンルから助っ人したいなっつー気持ちはあるわけ。
わたしの渾身のセンスでもって、もしかしたらね、敵に大ダメージ与えるって事象もね、充分 あり得るわけ。
「ふとんがふっとんだ！」レベルじゃ敵側としても、クスリとさえしないと思うわけですよ。
「お前の力はその程度か」って。
違う！
わたしの・・・わたしの本当の力は、こんなんじゃ・・・っ！
ストレインが・・・こんな時こそ、ストレインがいてくれたら・・・・・っ！
つっても、その間にうっかり悟空辺り、クリティカルヒット決めてっから。
戦いの最中、もじもじとかしてらんねぇから。
で、まぁコマ割りなら、間違いなくぶち抜きだよね。
集中線とか、たぶん、これでもかってくらい描き込まれてる。
わたしだって集中線描き込まれたい……っ！
お願い、鳥山先生！
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で、やっぱね、思った。
LOVEにサラダぶち込んでくる俵万智、スゲぇって。
そこに輪を掛けて記念日にしちゃうセンス、マジ スゲぇって。
そんな彼女と去っていったストレイン（筋挫傷）に敬意を表して、
今日は、さよなら記念日。
