三分が限界
三十路、つーか、なんだかんだで三十二歳。
お肌について考え出すには出遅れた感は否めない年齢です。
けど、考えてなかったんだから仕方ない。
そもそも芸能人でもあるまいし、年がら年中一日中ね、やれスキンケアだやれ体のメンテナンスだヨガだロハスだって、やってらんねーっての。
そもそも、ロハスってなんなんだっつーの。
二十四時間中、スキンケアのこと考えるのなんてね、三分あったら多い方ですよ。
伊右衛門の抹茶入り緑茶、超美味いんですよ。
新作 水出し抹茶入り贅沢冷茶も美味い。
なんか、スキンケアがどーのとか、嫌な大人になっちまったなって。
若さに執着するのは年取った証拠。
大人って汚いなって、最近になって、ほんとそう思う。
二言目にはセックスセックスいってっかんね。
わかるよ、セックスもね、大事。
男女の営みあっての子孫繁栄だもんね。
その辺、わたしもわかってるつもり。
お子様は確かに可愛い。
その辺、わたしも充分に理解は出来てる。
けどさ、それにつけてもって話になるわけです。
ちょっと飲みに行けばセックス。
ちょっと終電逃せばセックス。
ちょっと二人で会えばセックス。
最短だと、ちょっと番号交換すればセックスの時代ですよ。
アホかっつーの。
もっと他に考えることあんだろっていいたくもなるじゃないですか。
「うんこ!」つって爆笑してたあの頃が可愛らしくさえ思える……今もいってるけど。
あれ、なんだろ……人って変わらないのかしら……。
三つ子の魂百まで、てね。
ほんと、先人は上手いこというもんです。
でもね、自分が子どもだった頃、大人って、本当すごく大人に思えなかった?
小学生の時なんて、セーラー着てる中学生がものっそい大人に見えたもんです。
よって、三十路なんていったら超大人。
下手したら同級生のお母さん。
その大人がね、まさか、二言目にはセックスっていってるとか、よもや想像もしなかったわけ。
ジャージ着て跳び箱教えてくれてる先生が、
スーツ着て働いてるサラリーマンが、
週一でうちに来る家庭教師のお姉さんが、
白衣に包まれた看護師さんが、
まさか、二言目にはセックスとか。
こんな衝撃、ない。
そんな現実、知りたくなかった。
って思ってたはずなのに、今じゃ自分もそれについて爆笑出来るくらいにはなってたりするわけ。
汚れちゃったなぁー・・・。
ピュアにはもうなれなそうなので、せめて、意気込みだけはピュアで!
「あ、あのね……あたし、その……」
「なになに?」
「タカシとこの間、キ、キス、しちゃった……!」
「キャーッ!!!!!マジーっ!?」
つって、高校の時、放課後の教室で盛り上がったのが懐かしい。
キスしたっつって、友達、恥ずかしかったのかカーテンにくるまっちゃったりしてね!
キスレベルで キャーッ!ですよ。
ピュアにもほどがあるっつー話ですよ。
『あのピュアは今』つって、特集組まれるレベル。
もうほんと、妖怪人間ベム ベラ ベロが人間になるより先に、わたしがピュアになりたい。
「愛ってなぁに?」
子どもに聞かれた時、
「純粋なものよ」
そう笑顔でいえるような、そんな大人になりたいです。
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結局、三十路故のスキンケアについての話じゃなくなった。
やっぱね、三分が限界。
ウルトラマンと仲良くなれそうです。