笑ってはいけない○○式
もー書いちゃっていいかな?
書きたかったけど書けなかったことがあるの。
あ、違う違う、恋バナとかじゃないんだーめんごー。
恋バナとかも書くことあれば書いておきたいんだけど、今んとこ、そこ ガラ空き。
自分でもびっくりするくらい、興味が皆無。
朝からゴミ出しして、洗濯機二回ほど回して、
「今日晴れたわー、おっし!」
とかね、いってる毎日、結構しあわせ。
しあわせ……・・・
わたしのしあわせ、安くない?
ここまでの時点で、洗濯機二回分の電気代しか掛かってないんだけど。
じゃ、さらっと書くけども。
先日、告別式でのことなんですけどね。
まず、ここだけ押さえておいていただきたい。
これと、
(または、香立て / 線香立て)
これね。
鈴(りん)は、よく仏壇とかにある拝む前に「チン、チーン」て鳴らすやつ。
鳴り物っていうらしい。
鈴(りん)を鳴らす布が巻いてある棒は鈴撥(りんばち)つーらしいのね。
で、
香炉ってのは所謂 線香立てるやつ。
立てないで置く場合もあるけど、サイズが鈴(りん)とは明らかに違うよね。
線香を横にして置けるくらいだから、まあ、結構デカい。
それで、ちょっとばっかし受付頼まれちゃったもんで、
三姉妹で参列してきたんですけど。
わたしもね、なんの因果かうっかり長女なもんで、いつか喪主とかやるんだろうなーって、こっそり参考にしてたわけ。
こんなに立派に送り出してもらえて、爺ちゃん、すごいね。
爺ちゃん、よかったね。
いい人生だったかな。
いい人生だったって、爺ちゃん自身が思えるものだったらいいな。
うちの爺ちゃんじゃないんだけど。
そんなこと考えながら、ユニクロのスーツ着て参列してたの。
わたしが思うになんだけど、
結局、死んだら自分はそこで終わるわけで、自分の人生だったはずなんだけど、良し悪しを決めるのは遺された人達なんだよね。
「あの人はああだったね、こうだったよね」って語るのは他人の口なの。
誰かの思い出の中でしか語られないの。
だからこそ、みんな、どっかしらに自分を刻み込んで欲しくて、忘れて欲しくなくて、一生懸命生きるのかなぁって思ったりね、したわけ。
妹とかね、ちょっと泣いちゃってたわけ。
うちの母はね、それ見ていったよね。
「お母さんのときは、お笑いLIVEやって欲しい」
あ、うん……ちょっと、つーか、ちょっとどころじゃなく主旨変わっちゃうけど……
お、お笑いLIVEかぁー・・・
おそらく喪主はわたしだろうけど、したら、喪主の立ち位置も、結構変わってくるなー……。
やっぱ、黒いスーツじゃダメだよね。
でも、真っ赤じゃちょっとあれだし……間を取って、黒いラメ入りスーツとか?
「喪主、または司会者」とか書いてあるタスキ斜めに掛けて、
「さー、始まりました!てる子(※母の芸名)カップ in 告別式!優勝者にはなんと!母のポケットマネー(遺産)より十万円が贈られます!」
こんな入りで、式、始めんのかなー。
……悪くないかも?
なんか、いい。
寧ろ、いい。
俄然、盛り上がる。
あれ?葬式とかって、盛り上がっちゃっていいの?
ま、いっかー!
で、
「じゃあ出棺の時のBGMはどうする?」
「お母さん、嵐がいい」
「オーケー、嵐ね」
みたいな話してたんですけど。
なんつー不謹慎な親子。
でもさ、本人に希望があるなら、聞けるうちに聞いておかないとなーと。
どこまでプレゼン通るかは、ちょっと、わかんないんだけども。
そんなこんなで最後のお焼香。
みんな、啜り泣きとかしてて、まあ、わたしは姪っ子のお守りしてたわけですが、シーンとしてはクライマックス。
順番が回ってきたので姪っ子を母に預け、次女とわたしがラストだったんですけど。
で、冒頭のあれが絡んでくるんですけど。
これと、
これね、
次女、間違えて叩いたよね。
「チン、チーン」て鳴るとこ、
「カンカンッ」とか、やたら軽めな音、響いたよね。
本人も「えっ!?」とかいっちゃってんだけど、こっちこそ「えっ!?」だから!
しかもなんか、縋るような目でわたしを見たけどね、お姉ちゃんとしても、
ちょっとそこはフォロー出来ねぇー!
だってあんた、もー叩いちゃった後だし!
で、
「え、あれ?」
つって、あいつ、もう一回叩いたからね、
こっちを。
「ぶーっ、ふっ、ごほっ、ごほごほごほっ」
我慢が利かずに噴き出しました。
ついでにむせました、わたしが。
おま、さっきそこに線香やっただろうが!
一回失敗して、辺りを見回してたのはなんだったわけ!?
なにを確認してたんだっつーの!
同じ失敗するとか!
しかも、このシーンでするとかーっ!
「なにかやらかすと思ってはいたけど、お姉ちゃんじゃなく、まさか次女ちゃんがやるとはね」
(末妹 / 後日談)
末妹はやたらと冷静でした。
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その時、一緒に笑ってくれた喪主のおっちゃんが
「お陰でなんか、和やかでいい式になったよ」
そういってくれたのが、最大のフォローでした。
爺ちゃん、いい式だったかな。
そうだといいな。
何十年後かには てる子カップ開催されっからさ、
その時は、天国から爆笑してくれっといいな。
あれ、なんかいい話?
まあね、生きてるうちは笑ってなんぼ。
「そっちのが嬉しいよ」って、死んだうちの婆ちゃんもいってました。