敵はC.C.レモンホールにあり
やる気出すかーっつって背伸びしたら、左の首筋つった。
ていうやりきれない事実を母に報告したら
「バカでー」っていわれた。
「バカでー」って。
娘、首筋つってんのに。
「バカでー」って。
あ、ちょっと待って、なんだか泣きそう。
つーわけで、またも母の話なんですけど。
いろいろとヘヴィーな戦歴を潜り抜けてきた母なんですけど
なんつーか、典型的B型っつーかB型っつったら「あーすうのお母さんみたいな?」っていわれちゃうくらいにはB型っつーか。
とにかくマイペース。
そんな母をテーブルに残し、
なけなしの気力でもって左首筋を動かさないように慎重に慎重を重ねまくってご飯の用意して、
さー食べっかーってときに、
「なくね〜なくね〜マジなくね〜 なくね〜なくね〜それなくね〜 ヘイヘイヘイヘイ マジなくね〜」
母、リリック刻みだしたよね。
つーかラップ?
それ、まさかのもしやラップ気取りじゃないよね?
わたし「お母さん、それなに?」
母「魂のラップ」
ラップだった。
しかもなんか、「魂の」とか形容詞ついてた。
あれ?
韻踏んでたっけ?
その魂、今、韻踏んでた?
それでも、わたしにも意地がある。
うちの次女だってある意味で典型的B型。
「ワン・ツー・ワン・ツー・スリ・フォー・ワン・ツー・ワン・ツー・ワン・フォー・フォー」
っつって、スリーとかすっ飛ばして歌い続けてた謎の鼻歌を
こともなげに聞き流してきた実績だってある。
魂のラップくらい、なんてことない。
でも、敵は思いっきりテーブル向かいにいんの。
TVでは「生存者たち シーズン2」が流れてんの。
サラ「重機を借りたいの」
街のドン「君は代わりになにを差し出す?」
サラ「わたしにはなにもないわ」
街のドン「それでは貸せない」
そんな緊迫したシーン流れてんの。
で、お馴染みの「じゃあ体で払え!わかってんだろ!?」「やめて!わかったから殴らないで!お願い、キスだけはしないで!」みたいなサラにとっては苦渋の決断のシーンでね、
「なくね〜なくね〜それなくね〜 なくね〜なくね〜それマジか〜 オイオイオイオイ それマジか〜」
魂のラップ第二楽章、大々的に奏でてきた。
シーンに合わせて、
歌詞もちょっぴり変えてきちゃってた。
魂のラップによって軽くC.C.レモンホールっぽくなってた。
どこがって、うちのダイニングが。
あれ、Zeebra?
お母さんだと思ってたけど、もしかしてZeebraだった?
ふんわりとした羊がポケットから覗いてるエプロンの下、
もしかして、69Tシャツに金ネックレス?
わたし「うちにヒップホッパーいたとはね……」
母「でしょー( *`ω´)」
「でしょー( *`ω´)」じゃねえから。
今の、決して褒め言葉じゃないから。
なんかドヤ顔でそうレスポンスされちゃったもんで、わたしとしても、もう
「母」=「Zeebra」ってとこで着地点定めてはみたんですけど。
TVは遂に佳境へ。
サラの苦渋の決断により、爆破された病院からアニャが救出された感動のシーン。
嬉しいながらも複雑な表情のサラ。
(By. 生存者たち シーズン2)
ところ変わって、うちのダイニング。
(簡易C.C.レモンホール)
「左首〜つったって〜? なくね〜なくね〜それなくね〜 バカで〜バカで〜それバカで〜」
完全にMother Zeebraの独壇場。
しかも何故か、バカにされてる。
完全にコケにされてる。
わたしが。
魂のラップも生存者たちからわたしの左首筋にシーン移動しちゃってた。
わたしの敵、本能寺より全然範囲狭いとこにいた。
向かいで気持ちよく娘をこき下ろしてる。
でも、これだけはいわせて。
わたし「さくらっぷだって、もうちょい上手く韻踏むと思うよ」
母「えーセッション出来ない系ー?」
えーっ、セッションする気系ー?
天下の嵐と、セッション出来る気でいた系ー?
もー天丼に次ぐ天丼。
べつの意味でA・RA・SHI吹き荒れる。
For Dreamとかいってる場合じゃない。
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で、嵐の十周年記念PV見返してみたんですけど。
さくらっぷもね、
あんまり韻とか気にしてないっぽかった。
無理を承知でいわせていただくんですけど、よかったら、
ほら、ちょっと一、二分くらい暇があったら?
うちの母とセッションしてくれませんかー?
わたしも「Say, yo!」とか
合いの手くらいはがんばれるんで。